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株式会社カワキタ/ギャルママのポテンシャルに目を付けた、斬新アイデアとは?

株式会社カワキタ

東大阪にてOEMメーカーとしてモノづくりを手がける株式会社カワキタ。
3代目の代表 河北 一朗氏は過去の海外居住の経験から、日本における男性中心社会に昔から疑問を抱いていました。過去に男女雇用機会均等法が施行された以後も、日本はいまだに男性優遇社会から抜け出せていません。

「男女は公平に接するべきであっても、体の構成から差のある者同士、どこまでいっても平等な存在になることはない。それならば、もっと女性が活躍できる場を提供してあげれば、日本はもっと強い国に、もっとおもしろい国になる。」
河北社長はそういった信念を常に持って経営に取り組まれています。
「女性が結婚出産で仕事を辞めるのはもったいない。まず自分の会社で、女性が子育て中も問題なく働ける環境を整えよう。」
女性の力を尊重する社長の想いがとても伝わってきます。
そして、その想いは会社の取り組みとして斬新なアイデアが生まれる原動力となっていったのです。

多くの人々の共感を得て実現!ーギャルママ商品開発部

女性の活躍の場を提供したい想いを持ちつつ、やるからには大手企業が真似できないようなニッチな分野で勝負したい。そう思い描いていた社長が書店で偶然見つけたのが、育児雑誌等が流行っていた当時の一冊のギャルママ専門雑誌でした。
時に見かけで偏見を持たれ、社会から虐げられてきたギャルママという存在。どんな過去があるにせよ、ギャルママは今一生懸命子育てをし、若いからこそ元気で明るく、オシャレにも手を抜かない。とはいえ、ギャルママ達がかわいいと思える商品は世の中に少ないのではないか?
社長は自身の探していたニッチ分野の事業としてピンときました。すぐにその雑誌の編集長に連絡をとって、自身の想いを熱弁し、ギャルママの商品開発をする協力を求めました。編集長は河北社長の想いに共感し、商品開発に協力してくれるギャルママの人集めにも協力してくれるようになったのです。

株式会社カワキタ/ギャルママのポテンシャルに目を付けた、斬新アイデアとは?

やりたい!という想いは沸き立っても、実行に移すのはやはり苦労も多かったようです。
「株式会社カワキタという1社だけでは開発の資金も販路も限られている。弱点を補うには他社と業務提携すればいい!」
そう考えた河北社長は、早速会社のおひざ元の東大阪にある他企業に呼びかけました。
しかし、東大阪といえばもっぱら工業用のモノ作り企業が多い地域。ギャルママをターゲットにした商品開発を一緒に手がけませんかと呼びかけても、畑違いからなかなか協力してくれる企業は集まりませんでした。それならと大阪府下まで呼びかけを広げ、ようやく6社の協力を得ることができたのです。

次に悩んだのは広報戦略です。大手企業のように多額な広告宣伝費はかけられません。どうすればあまり経費をかけずに世間に認知してもらえるか?
社長はメディア活用戦略を思いつきました。マスコミに取り上げてもらえれば、経費はかけずに広く世間に認知してもらうことができます。

こうして河北社長のビジネスモデルが出来上がりました。
その名も「ギャルママ商品開発部」、略して「ギャル商」。ギャルママにウケそうなネーミングです。このネーミングもママ部員が考案してくれました。
ブランドロゴマークの”GM♥K”は”ギャル・ママ・開発、キッズ”という意味が込められており、子供好きな社長の想いもあって、子供向け商品のブランドになったのです。

そして広報では、またしても社長は自身の熱い想いをマスコミ各社に呼びかけ、最初に企画を取り上げてもらうメディアに日本経済新聞が決まりました。日本経済新聞の取材はギャル商の第一回目の会合の1週間前に掲載され、それを受けて想像以上の反響があり、会合ではテレビ会社の取材カメラであふれていたそうです。
ギャル商には当初20名ほどのギャルママ達が集まり、ピーク時には200名ものママ部員達が登録してくれました。
株式会社カワキタ/ギャルママのポテンシャルに目を付けた、斬新アイデアとは?

また、ギャル商ではギャルママがきっちり開発にまで携わっている点が斬新です。商品を作る初めから携わってもらい、開発から改良、そして実際にギャルママが売り場に立つこともありました。ギャル商のママ部員達にとっては、カワキタの社内でモノづくりをしている状況は、今まで体験したことがない異空間のようだと感じていたそうです。
彼女達は今まで消費者として、モノづくりに触れることはありませんでした。それがギャル商を通じて、日本のモノづくりの大変さを知り、ママ部員達自身が社会貢献できているという自負につながりました。ギャル商は彼女達にとって、活動で得られる金銭よりももっと社会的意義のあるビジネスモデルだったのですね。

ママ達を想う気持ちはまだまだ終わらない!ダッコリーノ(daccolino)の誕生

ギャル商の取り組みを経て、河北社長は次に仕掛けるビジネスモデルを探していました。
そして2012年、河北社長はとある子育て中のパパの意見に触れ、子育ての抱っこにも使えるカバンの開発を考えました。もしそれが開発されれば、少し大きくなった子供の抱っこのパパママの負担が軽減されるはず。しかし、何よりも安全性が求められる難しい開発です。なかなか開発に着手できなかった社長の背中を押したのは、全国ネットのテレビ番組の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京系)で、ひょんなことから、知り合いを通じて株式会社カワキタが抱っこにも使えるカバンを開発することが決まったことでした。

やるからには、ギャル商の時とカタチを変えた新しい連携スタイルとして立ち上げよう!そして、イクメン商品開発プロジェクトが誕生しました。
社長はまたまた商品開発に対する熱い想いをかばん製造会社に訴え、実際に子育て中のパパママの意見を取り入れながら、紆余曲折を経て子育て抱っこカバン・ダッコリーノ(daccolino)が誕生したのでした。

ダッコリーノは、一般的な“抱っこひも”に競合するのではなく、2才?4才くらいまでの歩き始めた子どもを対象にした点が社長の斬新なアイデア。そろそろ抱っこするには、親の負担が大きくなってきた頃ですね。
完成当時、ダッコリーノに類似した商品はありませんでした。ギャル商と同じく、大企業が真似できないようなニッチ分野に河北社長は目をつけたのです。
そしてダッコリーノは現在も、女性にとってもっと使いやすくなるようなデザインが研究・開発されています。

河北社長が昔から抱いていた女性を尊重する想いから、結婚出産後も女性が働ける事例や、子育てが楽になるような素晴らしい商品が生まれました。
次はどんなビジネスモデルが出てくるのでしょうか?河北社長の挑戦はまだまだ続きます!
株式会社カワキタ/ギャルママのポテンシャルに目を付けた、斬新アイデアとは?


企業情報

株式会社カワキタ
〒577-0843 大阪府東大阪市荒川2-4-6
TEL: 06-6723-0002
https://www.k-kawakita.com/





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