開成教育グループ 株式会社成学社
開成教育グループ 成学社は、『進化と成長』をモットーとして21世紀に生きる子どもたちの学びと子育てを支援する企業です。
開成教育セミナーやフリーステップなどの個別指導、保育園事業、日本語学校の運営など、幅広く教育事業を展開しています。
現在、社会は急速にグローバル化しており、その中で生きて行くことを見据えた教育内容の充実、事業領域の拡大が求められています。
今回は株式会社成学社 国際事業部部長 香野展一さんと課長 バン ヒョンチョルさんに今後の展望と日本企業で働く上での思いを聞かせて頂きました。
ソウルに現地法人を開設
オオサカジン編集部:
現在、こちらの国際事業部ではどの様なお仕事をされているのですか?
香野さん:
韓国とベトナムでの事業、日本語教師養成をメインに行っています。韓国には現地法人(成学社コリア株式会社)があり、現地で日本語教育をして日本の企業に直接人材を紹介していくという『人材事業』をしています。この現地法人が就職をしたい学生を探す、国際事業部が就職先の企業を開拓する、という仕組みです。
韓国では大学のIT専門学科と連携を取っており、N3以上の日本語能力を持ったIT技術者を、日本のIT企業に紹介しています。情報処理産業技士という現地の国家資格を持っている方なので、ビザは100%取得することができます。
N3、N2
日本語能力試験の認定目安のことで、N3が日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができるレベル、N2が日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができるレベルを指す。幅広い場面で使われる日本語を理解することができる最高位がN1。
ベトナム(成学社ベトナム)では、同じ建物内に幼稚園と日本語学校を作ることを計画、推進しています。
オオサカジン編集部:
成学社でのバンさんはどのような役割なのですか?
香野さん:
バンは、韓国事業の確立がミッションです。現地のスタッフを育ててもらいます。
カレに惚れ込んで入社しました!
オオサカジン編集部:
バンさんは、以前KOTRA(コトラ・大韓貿易投資振興公社)*で働かれていたのですね。
KOTRA
韓国政府が運営する貿易促進のための政府機関。海外拠点として貿易館を配置し、韓国内外のビジネスインフラ構築に寄与する。KOTRA日本地域本部では東京・大阪・名古屋・福岡の4カ所に貿易館を設置し、日韓両国の貿易・投資拡大のために尽力している。また、日本に進出する韓国企業を支援するための施設である東京IT支援センター、東京輸出インキュベーターセンターを運営している。
香野さん:
KOTRAでは、海外に就職させることに力を入れるK-MOVE事業部というものがあり、ここでは主に韓国人材求人企業を発掘し、韓国内求職者とのマッチング、最終就職に至るまでの過程を支援しています。
そこでの担当をしていたのがバンです。元々、韓国の学生たちを日本に就職させるという仕事をされていました。
KOTRAにK-MOVE事業部の話を聞きに行った時に出会い、仕事ができそうな人だな…と思って気に入ったので、ウチに来ませんかとヘッドハンティングしました(笑)
オオサカジン編集部:
バンさんがKOTRAを辞めて、新たな道を歩もうと決断したきっかけはなんだったのですか?
バンさん:
成学社のビジョンも共感したのですが、香野の話を聞いていて、この人と働きたいと思いました!
香野さん:
それ、初めて聞きました(笑)
バンさん:
あとは以前働いていた場所が政府機関だったので、そことはまた違う仕事内容も気になりました。
オオサカジン編集部:
相思相愛ですね(笑)。意見が対立することはありますか?
香野さん:
ディスカッションはよくしますね、仕事を進めていく上で。
日本人同士では意見を出すことに遠慮がありますが、海外では意見を言わない方がおかしい、という感じなので、お互い意見をしっかり出しています。
対立することはほとんどないですが…。
めちゃくちゃ細かいことにはなるのですが、覚えているのがこれだけなので、例を出すと、韓国事務所にウォーターサーバーをわざわざ設置するかどうか、少しだけぶつかった記憶があります。
日本の会社は、ウォーターサーバーを導入しているところもありますが、個人で水やお茶を用意している場合がほとんどですよね。しかし韓国では、水が電気やエアコンと一緒で、公共のものなんです。会社にウォーターサーバーはあるのは当たり前、ということで、韓国に現地法人を作る際にウォーターサーバーを導入するかどうかを議論しました。
オオサカジン編集部:
文化による違いからくる議論ですね。
香野さん:
そうですね。あとはもう仕事の進め方が合うというか、息が合うというか波長が合いますね。
仕事のやり方、進め方が合う人って、なかなかそんな方はいないですね。
オオサカジン編集部:
海外の方と働き始める中で、苦労した点はありますか?
香野さん:
苦労した部分は、一割ほどですね。彼は日本での職務経験もありましたし。一割は、言葉の言い回しで、韓国と日本の言葉の表現の違いくらいです。コミュニケーションの部分でも、ほとんど苦労はしていません。人種に関係なく、多少のコミュニケーションのズレは生じますしね。
バンは、今まで韓国の企業で働いており、日本の企業で働くのは初めてです。なので電話の取り方などの新人教育のような内容を行う必要はありました。あとはやっていることを見せながら、覚えていってもらいました。
オオサカジン編集部:
バンさんは、韓国で育ってきたわけですが、日本という異文化で働く中で、不思議に思うことや慣れない部分はありますか?
バンさん:
朝からみんなで一緒に、掃除するのが不思議です(笑)
あとは、日本人の仕事のメリハリのつけ方はどうしているのか、不思議です。
長時間ずっと集中して働いているなあと感じます。
勤務時間は日本の方が少し短いかなとも思います。
一緒に働く上で必要な精神的強さ
オオサカジン編集部:
これから職場に外国人を社員として迎えよう、店舗にアルバイトとして迎えようと検討している企業の方に、外国の方を雇用し一緒に働いている立場として、何かアドバイスはありますか?
香野さん:
今、一緒に働いているバンは韓国の方ですが、文化が似ているのでとても馴染みやすいです。上下関係のルールがしっかりとしている中で育っているし、アグレッシブで精神的な強さも持ち合わせています。
また、韓国人の場合、日本に就職したい、という思いがとても強いので、モチベーションも高くしっかり働いてくれます。
コミュニケーション面が心配かもしれませんが、意見を交わし関係を作り上げていく中で、解消されてくると思います。
就職先や進学先として、日本に関心を寄せる若者がますます増えている昨今。
今後、留学や就職を通して日本にやってくる若者に対し、しっかりとした支援を行うことができる企業がますます増え、風土が整えられていくことを期待したいです。
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